水曜日, 1月 31, 2007

The New York Times たいむず; トップの考えること

日曜日のタイムズに興味深い記事がありました。

先週ダボスで開催されていたワールドエコノミック
フォーラムでリリースされた、『参加企業エグゼクテ
ィブ(幹部)へのアンケート調査結果』に関する記事
です。




Off the Charts;
Not Much Market for Worry Beads

in the Executive Suites



というタイトルです。新聞のタイトルって理解するの
がとても難しいです。

Off the Charts **というのは毎週日曜のビジネ
ス欄のコラムのことで、いろいろな数字から物事を
見る、というテーマ記事です。


**もともとの意味は辞書で引くと、"(チャートからは出すほど)
ぶっちぎりの”というイディオムらしいですが、その用法であって
るのかしら・・・数字の奥を読むとかそういう意味ならなんとなくわかる
のですがね、、



ま、とにかく何が面白いかは、地域によって経営幹
部の気にしていることが違う、ということが分かる点
です。

たとえば、グローバルウォーミングについてです。

地球温暖化に関して、何らかの懸念を抱いているエ
グゼクティブの比率は、



全体; 40%
日本; 70%
韓国; 60%
中国; 49%




アメリカ; 18%



うぉおーい!

いやあ、さすが京都議定書にサインしていない国、
インディアンは嘘つきませんね、堂々たるものです。

なお、ロシアもほとんど懸念を持っていないようです。
欧州は概ね懸念を共有している(西ドイツは50%が
Yes)とのことです。これはイメージ通りですかね。


なお、地球温暖化を含めて17項目のリスクについて
質問がされたようですが、アメリカは二つの項目に
ついて、1/4のエグゼクティブがひどく心配している
と答えた項目があるそうです**。


**アメリカの経営幹部の思考回路-特定の心配事
を認めるということは、それを自分たちがハンドリング
できていないと白状することにつながるので、彼らは
この手の質問への回答は躊躇する、という文化の違
いがある、ということも記事には触れられています。
(筆者の理解ですが)


その心配事とは、


1.過剰な規制
2.低コストで攻勢をかけてくる競争相手との戦い


だそうです。


この部分のあと、思わず笑みがこぼれてしまう記述
がありました。日本についてです。



Japanese chief executives, on the other hand, say
they are concerned about almost everything.




・・・ほとんどすべてのことが心配だそうです




その慎重なところが好き・・・でも時には思い切って
行きましょうね。もじもじしていてチャンスを失うの
はあとで一番悔しいですから。


それから最後に、地域ごとに回答が異なるもうひと
つの例が挙げられていました。

それは、経済大国の低迷に対する懸念です。

自国経済が、輸出(外需)に頼る部分が多いアジア
は、大国の景気減速にビクビクしていますが、米英
欧はわりと楽観に構えているようです。

これは日本のメディア・識者の論調に常に見られる
傾向で、今に始まった話ではないように思います。

タイムズは、"アジアのエグゼクティブは、(欧米に輸出
しまくって得た繁栄という意味の)こんないい時期が永
遠に続くとは必ずしも思っていないようだ” と締めくくっ
ています。


記事そのものは短いものでしたが、視点の違いがク
リアに説明されていて、勉強になりました。








今日の激写;
なし