本ブログでも触れたダウジョーンズ社とニューズコープ
の買収を巡るドラマ、ようやく決着しました。
結局、DJがNewsの提案を支持し、マードック氏の勝利
となりました。
1日のジャーナル社説&オピニオン欄には二つの興味
深い記事が出ています。
ひとつは、
REVIEW & OUTLOOK
A New Owner
もうひとつは、
Publisher's Letter
A Report to Our Readers
という、ジャーナル読者に向けた今回の買収の意義の
解説と、読者へのメッセージです。
辞書をひきひき時間をかけて読みましたが、ともに丁寧
で、いい文章だと思いました。
ジャーナルのサブスクライバーはお読みいただくととても
面白いと思いますよ。
前者の記事では、①ジャーナルの一貫性の維持 ②バ
ンクロフトファミリーの決断を尊重 ③買収受け入れの
本質 ④編集の独立性の真の意味 について書かれて
おり、特に②と④は目を引きました。
News Corp. can provide capital for further
innovation, the Journal's future as a business
should be enhanced. And make no mistake:
Business success is vital to editorial independence,
precisely because it provides the resources to
report and comment in ways that might offend
advertisers or governments.
Newsはジャーナルの更なるイノベーションのため、ビジネスを強
化することを通じてジャーナルの将来のために資本投下するので
ある。そして確実なこと・・・"ビジネスにおける成功が、編集の独立
性を担保する"云々・・・(筆者意訳)。
On this point, readers also shouldn't misinterpret
the "editorial independence" agreement between
Mr. Murdoch and the Bancrofts. This isn't intended
to be some heat shield protecting Journal editors
from their new owner. We know enough about
capitalism to know that there is no separating
ownership and control. We see the editorial
agreement, instead, as an expression of
Mr. Murdoch's intention to maintain the values
and integrity of the Journal. His invitation to
have a member of the Bancroft family join the
News Corp. board is a similar gesture of good
faith.
よく言われる"マードック氏とバンクロフトファミリーとの間で
合意に至った編集権の独立性"というものを読者は誤って解釈
してはいけない。これはジャーナルの記者をマードックの支配
から守ることを意図したのではない云々・・・・(筆者意訳)
うーん、やりますね。②は重要ですが、④は敢えてこ
れを言うか?という内容です。資本市場を舞台に生
きている、金融専門紙のジャーナルならではの主張
と言いますか、矜持を感じます。
後者の記事は、編集責任者から読者へのレターです。
これまでジャーナルがどのように発展し、変化し、信頼
を獲得したかを綴った上で、これからNewsの傘下に入
ることでいかにこれまでの進化をより高いものに持って
いけるか、というものを説明しています。
ここまで書かれると読者としては信じましょう、という気
になるのではないでしょうか。
答えはこれからの記事にあるのですね、楽しみです。
今日の激写;
なし