火曜日, 9月 19, 2006

THE WALL STREET JOURNAL じゃーなる; ヘッジファンド新境地

今もって定義が曖昧なヘッジファンドなる運用集団が、
金融の世界ではいつの間にか市民権を得ているそう
ですが、最近、


イマイチうまくいっていない


そうです。

*ヘッジファンドの定義についてはコチラ

9/13のトップ記事タイトルは、


Hedge Funds Miss Their Target


でした。記事の構成としては、

①いくつかの著名ヘッジファンドの年初来投資収益
率は+1~+3%程度であり、米主要株式指数(日本
でいう日経225など)の収益率を下回っている

②とはいえ、あるファンドは30%の収益率を叩き出し
ており、株、債券、など色々考えると、全体としては
市場平均並み

③ただし、ロングショートと呼ばれる、買いと売りを組
み合わせるタイプの米株ファンドは年初来でわずか
+1.4%の収益率

④イマイチさえない理由としては、手数料の高さ、
最近の原油など商品価格の下落、5月以降の
エマージングマーケットと小型株市場の低迷など

⑤上記の”投資環境”とは別の理由として、とにかくヘ
ッジファンドが増えすぎて、競争が激しく、出し抜くアイ
デアの創出が困難になった、差別化ができない

⑥ヘッジファンド同士が仲良しクラブ化して、皆同じ
投資戦略をとる傾向になった結果、大きく勝てない

といった具合にまとめられています。

ま、成熟化しているってことですね。成熟化とは言え、
究極は買いか売りかしかない(いつとか、どのくらいと
か、組み合わせはとかいうのもあるのでしょうが・・)と
ころに難しさと面白さがあるのでしょうか。



ふーん、とこの記事を読んだ3日後、今度は



The Hedge-Fund King Is Getting Nervous



という記事がまたジャーナルに出ました。ネガティブキ
ャンペーンでも張っているのかと勘ぐってしまいます。

これは上に紹介したものよりもはるかに面白い記事
でした。ある一人のスターヘッジファンドマネージャー
を追った記事で、ドキュメンタリーを見ているようでとて
も勉強になります。

土曜日の記事、ということもあったのでしょう、長い文
でしたが、相場や株が好きな人にはご一読をオススメ
します。



またこれは蛇足ですが、金曜のNYtimesビジネス欄トッ
プは、



Hedge Funds Flirt With Heresy: Going Public



アメリカでヘッジファンドを専業としている運用会社が、
ピュアなヘッジファンドとしては初めて株式公開すると
いう内容の記事です。



何かの潮目の変化なのでしょうね、思案のしどころです。


今日の激写;
なし