チップ・・・些細なことですがこの国で生活するには重要な
習慣です。
今日はこのチップという制度について、思うことをまとめ
てみますね。ヨーロッパではまた違う考え方かもしれませ
んし、あくまで筆者がアメリカで2年生活して、見聞きして
解釈していることです。
いつか読者の皆様がアメリカに旅行する時のための、ひ
とつの参考としてお読みください。
基本的な考え方としては、
チップとは謝意をおカネで示すこと
です。
いくら渡さなくてはいけない、というルールはありません。
決めるのはサービスを受けた個々人です。
しかし、そうは言っても特定の場面では、チップを渡すこ
とが
マナー
でもあることから、最低限のことはわきまえる必要がある
ことも事実です。
一番よくないのは、よく知らない上、何も考えずにいること
です。
この、『心づけ』の部分と、『マナー』の部分のさじ加減が、
そもそもチップに慣れていない日本人には難しいのだと
思います。
では、マナーとして知っておくべきことをまず記しましょう。
①レストラン/カフェ; 飲食代の15%+α
ファーストフードやカウンターで受け取るタイプのレストラ
ンでは、チップの支払いは必要ありません。なぜでしょう。
注文したものをカウンター越しに渡せばそれでサービスの
提供が終わるからですね。フォークを落としてもすぐ持って
きてくれるわけではない、ワインを飲み干したら継ぎ足して
くれるわけでもありません。ようするに、相手を満足させる
サービスを提供する余地がないのです。
一方で、ウェイター・ウェイトレスさんがいるレストランもしく
はカフェではチップの支払いはマナーです。
なぜでしょう。
アメリカでは、日本と違って自分のテーブルの担当となる
ウェイターさんが必ず決まっています。レストランだけで
なく、カフェでもそうです。
そのウェイターさんは始終私のテーブルの動きを観察(さ
りげない場合もあれば、露骨なケースもあります)していて、
仕えてくれるわけで、快適な時間が過ごせるようサポート
してくれます。
ここにチップが発生する余地が生まれますね。
客に対するサービス料に関しては、客から貰え、というわ
けです。彼らの基本給にそれは含まれていません。事前
に客からどんなサービスを求められるか予測できないの
ですから、雇い主だってそれを見込んでペイできません。
ケースバイケースで客から受け取るということです。
なお、カード払いの場合は、料金支払いの時に加算してま
とめて払うのが一般的です(チップ代金を書く部分がある)。
キャッシュで払うときは、チップ込みの料金を渡して、おつ
りはいらない旨を伝えたり、とりあえず飲食代だけ払って、
チップは店を出るときに机に見えるように置いて去る、とい
うこともあります。
もしくは、これはちょっとキザ(粋?)ですが担当の人に直
接渡してもいいです。露骨に渡すと嫌味になるので、どう
もありがとうとさらっといいながら、さりげなくポケットに入れ
たりするとスマートです。
②タクシー; 料金の10%~15%、最低1ドル(?)
これもマナーです。NYの初乗り料金は$2.5ですから、す
ぐ降りれば25セントから40セントの加算ですが、最低$1
は渡すのがマナーとガイドブックに記載されているのを見
たことがあります。
ただ、筆者は一度このケースで、きりよく$3渡してみて、
運転手の表情を観察してみましたが、何の感情の乱れも
見えませんでした・・・最低$1説はまだ謎です。
長い距離を走ったり、重い荷物を持ってくれた場合は
通常の料金に数ドル加算するのが一般的です。
なお、日本人はチップを多くくれる、と運転手に言われた
ことがあります。『だから俺も払えって?』と腹が立った
経験もあります・・・
筆者、一度だけ頭にきて、タクシーの運転手にチップを少
なく渡し、運転手に『なんでこんだけしかくれないんだ』と聞
かれて理由を説明したことがあります。
あれはド寒い冬、しかも大雨の日でした。場所はJFK空港。
出張から帰って重いスーツケースをガラガラしながら、し
かも肩にはノートPCの入ったこれまた荷物のぎっしり詰ま
った鞄。
運転手、いつまでたっても出てこない
一歩でも車から出れば大雨に打たれることは私にもわか
っていました。しかし、重い荷物を持った客がいたら、サポ
ートするのも運転手のマナー。それができないということは、
チップも放棄していると私は解釈しました。
結局、濡れながら自分でトランクを開け、スーツケースを
放り投げるように入れた筆者・・・
おまけに、JFK空港から自宅にいくまでの45分、始終携帯
電話で大声で会話。ほとんどの運転手は携帯で誰かと話
していますが、45分大声で話し続けたのは彼以外に見た
ことがありません。
そのとき筆者が渡したチップは$1、相手は聞いてきました。
なぜこんだけなんだ、と。筆者は感情的にならずに冷静に
説明しました(つもり)。
この雨の中一歩も外に出ず、何の手助けもしなかったこと、
客がいることを考えず大声で携帯電話でずっと話し続けた
こと。私は相当不快だった、したがってチップは$1だけだ、
と。
相手は不機嫌そうでしたが、何も言わず去っていきました。
もちろん、スーツケースをトランクから出すのは手伝って
もらえませんでしたが・・・
あとで振り返ってみれば、さすがに$1はまずかったかなと
あれこれ考えましたが、一度ああいう経験をすると、慎重
にいろいろ考えるようになります。
ここまで書くのにだいぶ長くなってしまいました。
続きまた今度にしますね。
今日の激写;
なし