土曜日, 11月 11, 2006

ひとりテキサス、濃い二日間

野暮用でテキサス州に行ってきました。

州最大都市のヒューストン、北方のダラス、それから
州都オースティンの3都市が目的地。


初めてのテキサス訪問、アメリカ国内とはいえ一
度も行ったことのない場所にひとり足を運ぶのは緊
張しますが、どんなところなんだろう~と期待も高ま
ります。

テキサスといえばブッシュ大統領の地元、選挙で自
分の党が敗れてしまったばかりで、タイムリーな場
所と言えばタイムリーだったのですが今回のテキサ
ス行脚はそんなことは一切関係ありません。

日程は2.5日、なかなかタイトでしたが間延びする余
裕がないという意味では強行してよかったです。


水曜夕方
NY-ヒューストン移動(飛行機)
ヒューストン宿泊

木曜
丸一日ヒューストンで野暮用
夜にダラスへ移動(飛行機)、宿泊もダラス

金曜
午前ダラスで野暮用
昼にオースチンに移動(飛行機)
午後オースチンで野暮用
オースチンからヒューストンに戻る(飛行機)
ヒューストンからニューヨークへ(飛行機)


飛行機での移動が多く、セキュリティチェックを受け
るのはやむを得ないとしても、それ以上に難儀した
のは日中の移動です。

もともと野暮用で行く必要のあった場所は時間が
決まっていました。

でも、土地勘のない筆者、タクシーを使うとどのくらい
時間がかかるのか、いくらくらいするのかなど、事前
に細かく調べていく必要がありました。

つまり、

ホテル-野暮用①-野暮用②-空港

といった具合ですべての移動にかかる予想時間を
調べた上で動かないと、一つ間違えた場合にすべ
てのプランが台無しになってしまう、というわけです。

なので日中は相当時間のやりくりに気を遣いまし
た。

時間が余る分にはいいや、なんて甘いことを考え
ていましたが、余ったら余ったで、大いに困ること
がよくわかりました。


だって、、、








やることない・・









(ダラス、ホテルの部屋より)



アメリカの大自然をこれほど呪ったことはありませ
ん。

アメリカの自動車免許はおろか、国際免許は既に
1年で失効、この際関係ありませんがいつの間に
かアメリカに住んでいるうちに日本の車とバイクの
免許証も今年の誕生日に有効期限が切れた筆者、
移動手段ゼロなわけです。

ニューヨークなどとは違い、流しのタクシーは皆無
です。野暮用が済んで外に出ても、ぽつねんと
立ち尽くすのみで、食事をしたくても歩いて行ける
場所にレストランはありません。

ある場所ではたまたま野暮用の目的地の前に
マクドナルドがポツンとあったので、初めてアメリカ
のマクドナルドに入りました。

1時間半ほど本を読んでいましたが、意外に小奇
麗で、店員もちゃんとしていました。

あそこにマクドナルドがなかったら・・考えたくあり
ません。

車社会を身をもって痛感しました。生きていけない。


なんて文章ばかりではつまらないですよねぇ、
いくつか撮った写真をご覧ください。


ダラスが一番よいところでした











オースチン郊外











ニューヨークとは随分と違いますなぁ・・・どっちが
いいんだろ。ずっといるには退屈な気がしますが
自分の趣味がある人、自然に囲まれた大家族
の生活が夢な人にはたまらない環境でしょうね。



さて、また日中の移動ネタに戻りますが、先に書
いた状況なので、その日ごとに朝ホテルに来てく
れたタクシーに、1時間後にここにまた来てね、
などとスケジュールとピックアップの場所・時間を
指定して、お抱え状態にしていました。

したがって、長い場合は一日中一緒にいるので、
いろいろ話をします。時間が空いたときにはスター
バックスに寄ってくれてコーヒーを一緒に飲んで
いたり、お互いの話をしたりすることが多かったで
す。

そのうちの一人のドライバーはとても変わった、
なんだかすごい人でしたが一緒にいていろいろな
話を聞けてとても有意義でした。本来の目的よりも、
彼と一緒にいたほうが勉強になったくらい。

もともとはフランス人で、アメリカに住んで10年弱、
どうやら今は奥さんの仕事の都合でテキサスにい
るらしく、タクシー会社を運営している社長です。
近々奥さんの仕事の都合で引っ越すかもしれない
ということで、日本に行く機会もあるだろうとのこと。

本人はもとはエンジニア、話の内容からは化学・
バイオ系の技術者のようです。

アメリカに来る前は、香港、ドバイでエンジニアとして
働いていた異色な経歴の持ち主です。言葉は、英語、
フランス語、スペイン語、アラビア語がペラペラ、これ
はほとんどが勉強して覚えた、とのことです。

何でそんなに語学勉強するの?と聞いたら、



言葉つかえると友達できるでしょ



との回答、シンプルにして究極の目的ですね。

今はタクシー会社を経営する傍ら、本来のエンジ
ニアの仕事を片手間でやりながら(組織に属して
いるかはわかりませんが・・・)研究活動を行って
いるらしいです。

はったりじゃないよね・・・と思っていましたがいき
なり分厚いファイルから数枚のレポート用紙を取り
出して見せてくれました。

これ、日本の研究者と今やっている研究だよ、と言
いながら見せてくれたレポートには、東大医科学研
究所の日本人研究者が連名で書いたレポートにバ
イオテクノロジー系の専門用語がびっしり・・

これ僕が書いたんだと言って渡された紙は意味不
明の専門用語で面食らいました。

まさに、



タクシー会社社長は世を忍ぶ仮の姿


です。なぜタクシー会社をやっているか、それは、


今ダラスではとても強い需要があるから


とのことです。ビジネスとして成り立つというだけの
理由だそうです。奥さんの都合でここにいるとは言
え、ビジネスセンスはたいしたものがあると、話の
端々で感じました。

ちなみに、バケーションでは是非ドバイに行ってご
らんと教えてくれました。


などなど、タクシードライバーとの珍道中メインの
テキサス行脚報告となりましたが、旅はよいもの
だと、つくづく感じました。

行きの飛行機内で離陸まで2時間半待たされた
ことにうんざりしたくらいでたいしたトラブルもなく、
いい思い出となりました。

NYに戻ってきたのは土曜朝3時、今日はこれか
ら再び睡眠をとります。


今日の激写;
本文にちりばめました